インタビュー

開発者インタビュー

“snapCINEMA(スナップシネマ)” 開発秘話

※所属部署、掲載内容は取材当時のものです

写真が“動き出す”瞬間を、仲間とつくる。
生成AI×葬祭の現場から生まれた、新しい感動体験「snapCINEMA

「昔の写真が、もし動いたら」そんな小さなひらめきから始まった挑戦が、3か月という短期間で新しいサービスへと成長しました。
葬儀という厳粛な場面に、新しい技術で“驚きと感動”を届けたい。
そんな想いで生まれたのが、アスカネットの新サービス「snapCINEMA(スナップシネマ)」です。
開発に携わったメンバーが、誕生の裏側を語ります。

まずは皆さん簡単にお仕事内容を教えてください

吉宗 裕文
吉宗 裕文(よしむね ひろふみ)

私はフューネラル事業部の事業部長として、またアスカネットの取締役として、営業やオペレーションセンター(以下OP)を含め、事業全般を見させていただいています。

黒川 公春
黒川 公春(くろかわ きみはる)

遺影写真加工を行うOPは国内に広島・千葉・びわこの3拠点があります。
私は広島を担当しています。

安部 裕之
安部 裕之(あべ ひろゆき)

私はびわこOPと、広島のビデオOPの課長を兼任しています。

大村 智隆
大村 智隆(おおむら ともたか)

広島のビデオOPと、千葉とびわこにあるライターチームの係長です。

青砥 剛
青砥 剛(あおと ごう)

私は企画開発室で、新サービスや新商品の開発をメインに行っています。

“snapCINEMA(スナップシネマ)”とはどのようなサービスですか?

安部
ビデオOPではこれまでも、“LIFE STORY”という写真スライドサービスを提供してきました。
好評ではありましたが、もっと新しい表現で「人生の物語」を伝えたいと考えたのが始まりです。
そこで生まれたのが、古い写真がまるで動画のように動き出すsnapCINEMAです。

インタビュー風景01

大村
LIFE STORYは、ご遺族からお預かりした写真を音楽とともに流すスライドショーです。
snapCINEMAは、その想いを引き継ぎつつ、生成AIを活用して“驚きと感動”を呼ぶ全く新しい映像体験を実現しました。

吉宗
snapCINEMAは「AIで人の心を動かす」ことに挑んだサービスです。映像としての完成度だけでなく、「懐かしさ」や「温かさ」が伝わるようチーム全員で工夫を重ねました。

snapCINEMA開発のきっかけや、どのような課題があったのか教えてください

吉宗
きっかけは、「新しい技術を使ったサービスをつくろう」という社内会議でした。
「モノクロ写真が自然に動いたら感動するのでは?」という声から調査を開始。
AI技術を持つ会社をいくつか探しましたが、最短で即日の対応が必要な葬儀業界のスピード感には合わず、最終的には社内で複数のAIを組み合わせる方向へ舵を切りました。

インタビュー風景02

安部
2月に構想が生まれ、6月の展示会(フューネラルビジネスフェア)で発表するという超短期スケジュール。
時間との戦いでしたが、試作品ができるたびに皆の中で「もっと良くしたい!」という気持ちが高まり、止まりませんでした。

また法律面でも慎重な対応が必要でした。個人情報の取り扱いやデータの保存先など、安心して使っていただけるように細心の注意を払いながら開発を進めました。

大村
私のチームで技術検証を行いましたが、AIに写真を読み込ませると、別人になってしまったり、不自然な動きをしたり最初は失敗の連続でした。予期せぬことが多くコツを掴むまでに時間がかかりました。
また単純に「手をふるだけ」のような動きでは感動は生まれないので、そこからどう自然な動きを増やしていくかも課題でした。

どのようにたくさんの課題を乗り越えたのでしょうか

青砥
事業部長の吉宗さんを中心に、みんなが近い距離で話し合えるチームでした。
お互いの強みを活かしながら、スピード感を持って動けたのが成功の要因だと思います。

安部
AIへの“指示(プロンプト)”は未知の世界でした。
同じ写真で何十回もトライしながら、AIの反応を見て微調整を繰り返す。その根気の積み重ねが、今のsnapCINEMAを支えています。
ちなみにテストで使ったのは、吉宗さんのお母様と赤ちゃんの頃の吉宗さんの写真なんですよ(笑)

吉宗
そうなんです(笑)自分の写真だからこそ、動いた瞬間は本当に感動しました。
チーム全員でその映像を見たとき、自然と拍手が起きたのを覚えています。

大村
失敗しやすい写真の傾向や、それに対するノウハウを皆で共有し合っています。
AIにはまだ“感情”がありません。だからこそ、私たちが「人の想い」をどう技術に乗せるか。
その挑戦を通して、自分たちも成長できたと思います。

インタビュー風景03

snapCINEMAという名前はどのように決めましたか?

吉宗
実はこの名前、もともと開発中の別サービスのために考えたサービス名なんです。
CGを使ったインパクトのあるビデオサービスをこの名前でリリースする予定でした。

大村
snapCINEMAは半年くらいかけて開発していたそのサービスのために、私が考えた名称です。
結局そのサービスはリリースとならず、名前ごとこちらの新しいsnapCINEMAに乗っ取られてしまいました(笑)

青砥
今回のsnapCINEMAでは写真に映る人物が動くだけでなく、カメラ位置が変化したような表現も可能です。
映画のワンシーンのようなシネマティックな表現から、こちらのサービスこそsnapCINEMAという名前がぴったりだな、と。

展示会での反応や、導入された葬儀社様からの反応はいかがですか?

青砥
展示会で初披露した際はたくさんの葬儀社様に、とても驚いていただきました。
当社の営業スタッフもお客様のリアクションを見て、「これはきっと広がる」と確信したようです。

葬儀社様は常に「感動を届けたい」とお考えです。スライドショーのようなご葬儀の際に喜ばれるサービスも人気ですが、snapCINEMAは葬儀後も見たい、ご自宅で見たり、誰かに見せたいと思っていただける、まったく新しいサービスとして受け入れていただけました。

インタビュー風景04

大村
導入いただいた葬儀社様からは「ご遺族が涙して喜ばれた」という声を多数いただいています。
“驚き”と“感動”の両方を届けられるサービスになりました。

世の中の反応はいかがですか?

青砥
ちょうどAIの話題がメディアで増えてきた時期だったので、snapCINEMAのリリース後に複数のTV局や新聞社から取材のお問合せをいただきました。葬儀業界のイベントにも取材にお越しいただき、すぐにTVでも放映されたので、反響は大きかったですね。

その影響か、一般のお客様からも「母の写真を動かしてほしい」といったお問い合わせをいただきました。
想いが社会に届いた瞬間を感じましたね。
今度広島の終活イベントにも出展するので、どんなリアクションが得られるかも楽しみです。

黒川
社内でも他事業部から「この技術を使ってみたい」という声が上がっています。
部署の垣根を越えてアイデアが広がるのは、アスカネットらしい動きだと思います。

インタビュー風景05

今後はどのような製品やサービスを開発したいですか?

黒川
遺影という文化のあり方自体も、これから変わっていくと思います。
私たちは「新しい偲びのカタチ」をつくる挑戦を続けていきたいですね。

吉宗
私達の顧客である葬儀社様は、問い合わせの24時間対応や葬儀施行関連業者への発注・手配など、人材の面で様々な課題を抱えています。
AIを活用して、葬儀社様の業務効率化や課題解決につながるサービスを開発、提供していきたいですね。
そのためには先に私達がAIのできることを学び、社内で活用していく必要があります。

青砥
でも次は、3か月で開発とは言わないでくださいね!(笑)

一同
(笑)


< 一覧へ戻る

葬儀社様専用
お問い合わせ先

0120-59-1223

営業時間/9:00〜17:00
※日曜・祝日を除く


フォームはこちら >

※ 一般の方はお近くの葬儀社様に直接お問い合わせください。