2026年7月28日
2026年6月に横浜にて開催された国内最大スケールのフォトビジネス&フォトグラファーズフェア「PHOTONEXT2026」。会場では写真に関するさまざまなセミナー講演や対談が行われました。
遺影写真作成サービス国内トップシェアを誇る株式会社アスカネット(代表取締役社長:村上 大吉朗、広島県広島市、東証グロース 銘柄コード:2438、以下:アスカネット)の社員と、遺影写真・シニア写真専門フォトグラファーとの対談では、写真が持つ力、葬儀を取り巻く環境の変化、そしてテクノロジーが果たす役割について語られました。
2026年6月16日 PHOTONEXT2026にて対談
左:青砥剛
株式会社アスカネット フューネラル事業部(当時)。遺影写真加工をはじめとする葬儀業界向けサービスの企画・提案に携わる。年間約50万枚の遺影写真に向き合う現場経験をもとに、業界のDXや新たな価値創出に取り組んでいる。
右:橘田龍馬氏
遺影写真・シニア写真専門フォトグラファー。遺影写真アカデミー代表。全国で撮影活動を行うほか、"遺影写真で困る人をなくしたい"という想いのもと、フォトグラファーの育成や「長生き写真」の普及にも力を注いでいる。
アスカネットのフューネラル事業部は、全国約3,300社の葬儀会館と契約をし、年間約50万枚の遺影写真加工を手がけています。この数字は日本で亡くなる方の約1/3の遺影写真加工を手がけていることになります。
その現場で感じるのは「遺影写真を事前に準備している人は、まだ決して多くない」という現実です。 家族写真から切り抜いた一枚、旅行先で偶然撮れた笑顔、あるいは免許証の写真——。
ご遺族は限られた時間の中で「その人らしい一枚」を探し、故人を送り出します。青砥は「もっと本人らしい表情で見送れたら」というご家族の想いに、これまで数多く向き合ってきました。だからこそ、遺影写真は単なる"写真加工"ではなく、その人らしさを未来へ残す仕事なのだと話します。

PHOTONEXT2026にて
※モデルはイメージです
対談では、葬儀業界の変化についても話が及びました。
一般葬から家族葬へ。コロナ禍を経て、より少人数でその人らしい送り方を選ぶ人が増えています。さらに最近では、高齢者施設で生活を共にした仲間に見送られる「施設葬」という新しいスタイルも広がり始めています。「施設で最後にお友達になった人が、そのままお別れに参加できるのは温かいですよね」と橘田氏。
葬儀は、形式を整えることよりも、その人らしい人生を振り返る時間へと変わりつつあります。だからこそ、遺影写真にも「その人らしさ」が、これまで以上に求められる時代になっています。
一方で、葬儀業界ではDXも大きく進んでいます。アスカネットでも、Web訃報サービス(tsunagoo)やクラウドを活用した遺影写真データの管理、キャッシュレス香典など、葬儀社やご遺族の負担を軽減するサービスを展開しています。さらに、写真から映像を生成する技術(snapCINEMA)や故人を送るオリジナルソング(Dear Song)など、新しい表現も提供しています。しかし、青砥は「DXそのものが目的ではない」と語ります。目指しているのは、手続きを簡単にすることではなく、ご家族が故人を偲ぶ時間を少しでも多く持てる環境をつくること。便利さの先にある"人へのやさしさ"こそが、本当のDXなのです。
そんなアスカネットの想いに橘田氏も共感します。橘田氏は、シニア写真・遺影写真を専門に撮影する傍ら、「遺影写真アカデミー」を立ち上げ、全国で遺影写真を撮影できるフォトグラファーの育成にも力を注いでいます。
「私一人が撮影できる人数には限界があります。だから、想いを共有できる仲間を増やしたい。」アカデミーでは撮影技術だけではなく、お客様との接し方やコミュニケーションも重視しています。一枚の写真は、シャッターを切る瞬間だけで生まれるものではありません。会話を重ね、笑顔を引き出し、「撮影してよかった」と感じてもらえる時間そのものが、一生の宝物になる——。そんな考え方が、多くの受講生へ受け継がれています。また、橘田氏は「遺影写真」という言葉に代わり「長生き写真」という呼び方も提案しています。人生の終わりを意識する写真ではなく、今を元気に生きる自分を残す写真。企業やお寺などと連携した撮影会でも、その考え方は少しずつ広がりを見せています。
年間50万枚の遺影写真に向き合うアスカネット。そして「遺影写真で困る人をなくしたい」と活動を続けるフォトグラファー。立場は違っても、二人が目指す未来は同じでした。
写真は、亡くなった後のためだけに残すものではありません。その人らしく生きた証を未来へつなぎ、残された人がその笑顔を思い出せるようにするものです。葬儀も、写真も、テクノロジーも。すべては、大切な人を想う気持ちを支えるためにあります。
人生100年時代。「人生の集大成を一枚の写真に残す」という文化は、これからさらに広がっていくのかもしれません。
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